マーケット・金融エコノミストオンライン

MUFG5・9兆円、ゆうちょ銀5・3兆円 銀行「負ののれん」27兆円を使え=細野祐二

正と負ののれん
正と負ののれん

 10月1日、新潟県の地方銀行である第四銀行と北越銀行が経営統合して発足した第四北越フィナンシャルグループ(FG)。第四銀が北越銀を合併する形をとることから「負ののれん」約460億円を12月末に計上する予定だ。2018年3月期の両行の純利益合計205億円の2倍以上の利益が転がり込む。

 銀行を買収すれば、利益が計上できる──。そんな耳を疑うような珍現象が、地方銀行の再編で発生している。キーワードは、聞き慣れない負ののれん。

 理屈はこうだ。時価総額が純資産(自己資本)を超えている上場銀行は86行中、あおぞら銀行やセブン銀行など9行(9月末時点)だけ(16ページ~表)。つまり、それ以外の77行を時価(時価総額)で買収すれば、会計上「負ののれん」が発生し、利益計上できるというわけだ。

残り1895文字(全文2237文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事