それほど伸びていなかった賃金=斎藤太郎
賃金の基調が見極めにくくなっている。厚生労働省の「毎月勤労統計」は2018年1月調査で「調査対象事業所の部分入れ替え(ローテーション・サンプリング)」と「労働者推計のベンチマークの更新」を同時に行った。以前の総入れ替え方式では採用されていた過去にさかのぼった改訂が行われなかったため、17年12月以前のデータと断層が生じており、18年1月以降の賃金上昇率が実勢よりも高めに出ているのだ。
厚生労働省は一部のデータについて、入れ替え対象外となっている共通事業所の前年同月比を参考提供しているが、サンプル数が少なく、必ずしも労働市場全体の賃金動向を表しているとはいえない。
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週刊エコノミスト
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