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家事の時短化で省エネ逆行リスク=溝渕健一 学者が斬る

    「欲しいものは何でも私に言うがいい。ただし、時間以外だ」。19世紀初頭、欧州の大半を勢力下においたフランス皇帝、ナポレオン・ボナパルトの言葉だ。それから約200年。科学技術の発展で、人々は労働から解放され、自由に使える「時間」が作り出せるような世の中になってきた。

     例えば、米アイロボット社の掃除機「ルンバ」は2002年に販売されてから今年9月末までに日本で約300万台が出荷されている。また、総務省の全国消費実態調査では、食洗機の普及率も04年の14・9%から14年に24・7%に倍増。アマゾンや楽天などのネット通販の利用率も、02年の5・3%から17年には34・2%と約6倍に急増している。

     こうした製品・サービスの普及により、家庭内における家事(労働)時間が短縮された分を、趣味や休養などの余暇にあてることができるようになった。総務省の社会生活基本調査で、家庭内の1日の行動時間(25~64歳男女の平均値)を01年と16年で比較すると、「家事」に使う時間は15分短縮された。一方、「休養・くつろぎ」は21分、「趣味・娯楽」は5分、それぞれ長くなった(図1)。家事の時間を短縮する技術やサー…

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