編集部から 花谷美枝/浜條元保 次号のエコノミスト
編集部から
リチャード・ブランソンさん(68)がやってくれた。同氏率いる英バージン・グループ傘下のバージン・ギャラクティックが12月13日、有人宇宙船の試験飛行に成功したのだ。
試験飛行で達したのは高度約83キロで、国際航空連盟が定義する宇宙空間(高度100キロ以上)にはちょっと足りない。数カ月以内に次の飛行試験を行い、さらに高い高度を目指すという。
2014年に操縦士が死亡する事故を起こして以来、同社は目立つ動きがなかっただけに驚いた。宇宙旅行の商業化で競う米アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏も試験飛行の成功に刺激を受けたはずで、宇宙産業に詳しい野村総合研究所の佐藤将史氏は「リアルな飛行競争の時代に移っていく」と予想する。
早ければ19年中に、宇宙旅行の商業化が実現する可能性も出てきた。19年は宇宙関連の話題が増えそうで楽しみだ。
(花谷美枝)
祭壇に飾られたのは、英ロンドン駐在時代の写真──。元野村証券副社長の外村仁さんが亡くなった。
バブル崩壊後、日本の金融機関が海外ビジネスを縮小する中、ロンドン拠点の立て直し役に抜擢(ばってき)された。米ゴールドマン・サックスからガイ・ハンズさんら辣腕(らつわん)投資銀行マンを引き抜いて始めたのが証券化ビジネスだった。第1号案件はパブの証券化。
500億円の買収提案に、外村さんは「これを見送れば、ガイはじめスカウトした人間は辞めてしまう」と、東京本社の了解が取れないまま強行。見事に成功し証券化ビジネスで、欧米外資に一泡吹かせた。「外資に負けてたまるか」の実践だ。「ロンドンやニューヨークで認められないとダメ」が口癖。
役員9人が一斉に退任し、空中分解の様相を呈する官民ファンドを外村さんは、どんな思いでみているだろうか。合掌。
(浜條元保)
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