中国編 薄氷の「習近平1強」 経済悪化で陰りに拍車も=興梠一郎
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米国が対中追加関税の引き上げを90日間猶予することで合意した2018年12月1日の米中首脳会談。同月3日付の中国共産党機関紙『人民日報』の1面には、満面の笑みでがっちりと握手を交わす習近平国家主席とトランプ米大統領の大きな写真が躍った。
記事では「協議を加速して追加関税を取り消し、米中関係が正常に戻るよう推進」と関係改善を強調。一方、米国から、中国が90日以内に知的財産権侵害などを改善しなければ、追加関税引き上げに踏み切ると「条件」を突きつけられたことには触れなかった。貿易戦争が収束に向かっていると印象づけたい習政権の焦りがにじんだ紙面だった。
実際には会談と同じ日、米国の要請を受けたカナダ当局が中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・副会長を拘束。米中対立の緊迫感はむしろ増していた。
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週刊エコノミスト
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