30年間で高齢世帯のみ消費増=河越正明 学者が斬る
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家計勘定の細分化で見えた日本の姿
日本は高齢化の進展によって経済の構造が変化しており、政府の社会保障・税による再分配政策が一層重要になる。これをマクロ経済の状況と整合的に把握するには「国民経済計算(SNA)統計」の工夫が必要である。SNA統計では、マクロ統計という性格から、「家計の勘定」はすべての家計を集計した結果であり、全家計が払った税・保険料を、さまざまな給付として全家計が受け取る形で表される。したがって、誰から誰に再分配が行われているのかは、家計勘定を属性別に分割した「セミマクロ」の統計を作らない限り分からない。
家計部門の細分化は国際的なSNA体系の見直しの中で重要な課題の一つとされてきたが、筆者を含め個人ベースの研究でしか行われてこなかった。
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週刊エコノミスト
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