週刊エコノミスト Online編集後記

編集部から 古沢佳三/浜條元保 

編集部から

 今号が発売される2月25日(日本時間)に、第91回アカデミー賞が決定する。期待しているのは「ブラックパンサー」の作品賞受賞だ。ヒーローもので、出演者の多くがアフリカ系なのは画期的だった。

「ブラック・レイン」の大阪、「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」のアラブ首長国連邦・ドバイという具合に、ハリウッド映画はその時々クールとされる国や都市をうまく取り上げる。「ブラックパンサー」の場合、アフリカの架空の国、ワカンダが舞台だが、モデルはナイジェリアだろう。

 ナイジェリアは今や、国内総生産(GDP)世界第31位(2017年)のアフリカの経済大国だ。最近、ナイジェリア人が絡んだIT犯罪をニュースで時おり目にすることもあるが、これも国などが進めたIT教育が生んだ皮肉な結果だと言えよう。今回の作品賞の行方に注目したい。

(古沢佳三)

「日銀によるマイナス金利の最大の問題は人々の経済倫理、道徳心を失わせること」。寺島実郎さんから、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長がこんな趣旨の発言をしたと聞いた。鋭いと思う。

 借入金利を上回る利益を出す製品やサービスを提供して初めて世の中に価値を認められている事業。利払いすらできない事業は淘汰(とうた)されるのが、市場原理であり、資本主義だ。

 ところが、マイナス金利は理論上、借金をするだけでもうかるという世界。これは職業倫理、道徳に反する。資本主義の否定だ。

「通貨の番人」の異常な金融政策の本質を突く柳井さんの指摘は、国民の肌感覚に敏感な小売業の最前線に立っているからこそ、ではないだろうか。

 導入から丸3年となる異例の金融政策が、日本人の大切な心をむしばんでいるとしたなら、日銀の罪は重い。

(浜條元保)

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