新しいコスト・マネジメントとは=高橋賢
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万人受け狙わず価値生み出す
日本の製造企業は、常にコスト・マネジメントの技法を追い続けてきた。一般に、コスト・マネジメントというと、コストを維持あるいは削減することを意味している。特に日本企業では、生産現場でのさまざまな工夫や、商品企画や製品設計の段階での原価削減手法である原価企画などの技法によって、高品質を保ちながら製造コストの削減に取り組んできた。
生産現場での保全活動や品質管理活動は、全員参加での取り組みが主体であった。これらの取り組みは、TPM(全員参加の生産保全)やTQC(全社的品質管理)という名前で知られている。これらは、戦後の人員や資金が乏しい状況で、保守や点検の専門部署を設けることができなかったという「制約」がきっかけの一つとして生まれたものであるが、結果としてコストの削減に大きな効果をあげた。ちなみに、有名な「トヨタ生産方式」…
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週刊エコノミスト
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