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週刊エコノミスト Online 深層真相

呉CEOの人事に懸念 迷走を続けるルネサス

呉文精 ルネサスエレクトロニクスCEO
呉文精 ルネサスエレクトロニクスCEO

 ルネサスエレクトロニクスの呉文精CEO=写真=の行う人事を懸念する声が高まっている。呉氏は2月19日付人事で、弁護士と他社人事部長の2人を社外取締役に就任させた。取締役は7人となるが、半導体事業の経験者は会長の鶴丸哲哉氏だけだ。そもそも呉氏は1年前にも自動車事業のトップだった大村隆司氏を退任させ、後任に半導体事業未経験の山本信吾氏を据えている。山本氏は経歴が呉氏と一部重なる。呉氏の人事はかつての部下や関係者で固めているようだ。その結果、呉氏を誰も止められず、経営は迷走している。

 迷走はM&A(合併・買収)にも及ぶ。ルネサスは昨年9月、米IDTを買収したが、「相乗効果が出ないのになぜ買収するのか」と疑問視する半導体業界関係者は多い。その分、研究開発費が減らされ、エンジニアのモチベーションは下がっている。

 社員のモチベーションが奪われると、ルネサスが弱体化するのは目に見えている。2018年は世界の半導体市場が13%も成長した中で、ルネサスは18年第3四半期、第4四半期と減収減益が続いた。19年第1四半期は市場が世界的に落ち込むと予想されており、ルネサスの3期連続の減収減益は避けられそうもない。業績悪化が続くと、経営責任を問う声も出そうだ。

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