日銀REIT買い急減はETFへの布石=藤代宏一
日銀のREIT(不動産投資信託)買い入れが急激に減少している(図)。2014月10月に買い入れ目標が年間900億円に設定されて以降、おおむねそれに沿った買い入れが実施されてきたが、18年7月31日の金融政策決定会合で、ETF(上場投資信託)・REITの買い入れについて「資産価格のプレミアム(リスクに応じた上乗せ利回り)への働きかけを適切に行う観点から、市場の状況に応じて、買い入れ額は上下に変動しうる」と明記されたころから買い入れスタンスが明確に変化している。
直近の買い入れは10月が36億円(12億円×3回)、11月が12億円(1回)、12月が72億円(12億円×6回)、1月が12億円(1回)、2月が48億円(12億円×4回)と、巡航速度の75億円(900億円÷12)を大幅に下回って推移し、直近1年の買い入れペースは450億円程度まで減速している。堂々たるテーパリング(緩和縮小)である。減額の背景はREIT市場の堅調な推移と考えられる。東証REIT指…
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週刊エコノミスト
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