独メガバンク2行合併の深層 政府の「銀行救済」に疑問の声=熊谷徹
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3月、ドイツのメガバンク、ドイツ銀行(DB)とコメルツ銀行(CB)が合併を視野に置いた協議を開始したが、金融界や論壇では「弱者の合併」に対する批判的な論調が強い。
ドイツの保守系日刊紙『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』は3月18日付電子版で不正競争防止委員会のA・ヴァムバッハ委員長の「巨大銀行の誕生は金融市場のシステム・リスクを高めるだろう。過去の金融危機は、メガバンクを破綻させるのは困難なので、結局、政府が銀行救済を迫られることを示した」というコメントを引用している。
また同紙の3月19日付電子版は欧州銀行監督局のA・エンリア局長の「個々の合併協議についてコメントしないが、一般的に欧州銀行界のチャンピオンを作ろうという考え方を好まない。我々が注目するのは、合併が銀行の将来の収益性を確保できるか否かという点だ」という意見を紹介するとともに「エンリア氏の態度は、両行の合併に前向きなドイツ政府との対立につながるかもしれない」と指摘している。
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週刊エコノミスト
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