教養・歴史コレキヨ

小説 高橋是清 第44話=板谷敏彦

挿絵・菊池倫之
挿絵・菊池倫之

(前号まで)

 憲法発布式典の朝に恩師・森有礼が暗殺された。翌月には養祖母喜代子が死去、立て続けに大事な存在を失い沈む是清に、前田正名が南米ペルーでの新たな投資話を持ち込んできた。

第44話 いざアンデスへ

 明治22(1889)年10月4日、ペルーの銀山開発に向けて、日本側の鉱山投資会社である日秘鉱業会社が設立された。ここから現地の鉱山会社に出資する。

 甲州財閥で高名な小野金六、藤村紫朗以下10名の発起人たちが25万円の出資に名乗りをあげ、これに前田正名(まさな)、高橋是清以下14名の株主が加わり25万円を出資、計50万円を準備した。最初にすべてを出すのではなく事業の進展に沿って資本金を払い込んでいく。

残り2473文字(全文2776文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

3月19日・26日合併号

株価4万円突破! 勝つ投資16 新NISAで歴史的高値到来 時間を味方にしっかり分散■編集部19 インタビュー 代田秀雄 三菱UFJアセットマネジメント常務 アクティブ偏重に疑問 低コストにこだわり19 使わなきゃ損! 投資非課税の新NISA 無期限化と枠拡大&復活■編集部20 新NISA 日本株、 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事