小説 高橋是清 第45話=板谷敏彦
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ペルー銀鉱山開発は国威発揚事業として国民の期待を集めていた。陣頭指揮をとる是清は日本を発ち、ペルー側の共同事業者オスカル・ヘーレン、坑夫を率いる山口慎らと合流する。
第45話 カラワクラ銀山
ヘーレンが是清にアンデスの説明をする。
「目的地のカラワクラ銀山はアンデスの山中にあります。標高は5486メートルですから、あなたの国の富士山よりもよほど高いのです」
鉱山がある場所は植物が生える森林限界をはるかに越え、岩と氷河の世界である。
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