FRBが探る新たな金融政策 実質的な量的緩和も選択肢=岩田太郎
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トランプ米大統領は4月5日、米連邦準備制度理事会(FRB)に対して量的緩和の発動を要求した。その後もツイートなどで繰り返し利下げを迫っている。政治の金融に対する介入が強まる中、FRBには利下げ以外にどのような金融調節の手段があるか、米論壇で議論されている。
ウィリアム・ダドリー・ニューヨーク連銀前総裁は4月30日付のブルームバーグ論説サイトで、主要政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利に代わって、新たな金利誘導政策の導入を提言した。
ダドリー氏は、「(市中銀行が保有する中央銀行の当座預金残高量を拡大させる)量的緩和の結果、銀行に十分な超過準備預金が生まれると、(流動性を確保する目的の)銀行間FF取引の必要性が低下する。こうした環境下で最も効果的なFRBの金融政策ツールは、FF目標金利を放棄して、準備預金に対して支払われる金利を調節することだ」と提言した。
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週刊エコノミスト
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