独の日刊紙『南ドイツ新聞（ＳＺ）』と週刊誌『シュピーゲル』は５月17日付の電子版で、オーストリア政府の副首相で右派ポピュリスト政党、自由党のＨ・Ｃ・シュトラッヘ党首が隠し撮りされたビデオとスクープ記事を公開。両メディアは、「シュトラッヘ氏は２０１７年の総選挙前に、スペイン・イビサ島の高級貸別荘でロシアの富豪のめいと称する女性に対し、オーストリアの有力大衆紙『クローネ』を買収して自由党を支援してくれれば、将来公共事業を回すことを約束。シュトラッヘ氏は『クローネ買収後は幹部を総入れ替えして、メディアを統制する。リベラル政党を支援する建設会社には一切発注しない』と豪語した」と報じた。

　両メディアによるとこの別荘には数カ所にカメラが隠されており、録画時間は６時間に及ぶ。何者かがＳＺとシュピーゲルに映像を提供し、両メディアは協力して調査報道を実施した。ＳＺの記者は「パナマ文書」スクープの端緒もつかんだベテラン。