週刊エコノミスト Online編集後記

岡田英/浜條元保

編集部から

 5月の大型連休に家族で神戸市に旅行した。改元に伴う10連休で市街地のホテルはどこもいっぱいで、初めて民泊を利用した。

 場所は、中心部の三宮から電車で10分ほどの同市長田区の住宅地。2階建て住宅の1階部分を民泊用に改装した部屋はきれいで広々としており、1歳の娘は走り回って喜んでいた。洗濯機・乾燥機もあり、持っていく荷物も少なくて済んだ。

 周辺は長屋や町工場が立ち並ぶ下町風情のある地域で、お好み焼き屋の激戦区。「そばめし」の発祥地でもあるという。熱々の鉄板の上で、甘辛い「どろソース」を絡めて食べたその味は格別だった。

 中心部のホテルに泊まっていたら、おそらく足を運んでいなかっただろう。中心市街地や観光地じゃなくても、魅力的なスポットはある。民泊は、思いがけない観光資源に出会う機会になり得ると思った。

(岡田英)

 自国の通貨を発行し、借金ができる国は、財政赤字を気にせずに歳出を増やせる、という「現代貨幣理論(MMT)」が、内外の論壇をにぎわせている。毎年、財政赤字を垂れ流し、歳出を膨張させている日本は、その実践国との指摘も。

 経済全体の需要が供給を下回る間は、政府が支出を増やすべきとする財政拡張派にとってMMTは、「待ってました」と飛びつきたくなる理論だろう。が、危うい。不人気な財政再建を棚上げする政治家の口実に使われかねない。消費増税など必要ないといったポピュリズム(大衆迎合主義)と結びつきやすいだろう。

 将来世代に付け回す借金で、潜在成長率を高める中身の濃い支出であればいいが、平成30年余りを振り返れば、何とも心もとない。「現代版打ち出の小づち」は、存在しないことを次号(6月17日発売号)でお届けする。

(浜條元保)

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