小説 高橋是清 第48話=板谷敏彦
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(前号まで)
ペルー・カラワクラ銀山が廃坑であることを知り事業の損切りに奔走する是清。その間、日本では後ろ盾となる前田正名が農商務省内の権力基盤を失い、廃坑の報も届いていなかった。
第48話 一大馬鹿
明治23(1890)年6月5日、ペルーからの帰り、横浜から新橋へと行く汽車の中、前田は是清に代わる者として山田直矢という鉱山技師をペルーへと送り込み、その山田は既にサンフランシスコに到着したという。
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