教養・歴史アートな時間

クラシック 第40回 草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル=梅津時比古

遠山慶子さんがマズルカを舞台に乗せる (c)林喜代種
遠山慶子さんがマズルカを舞台に乗せる (c)林喜代種

草津で待望の演奏に遭遇 遠山慶子さんのマズルカを聴く

 毎年、筆者は8月に「草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル」を訪れる。筆者にとって最も素晴らしい演奏家が、この音楽祭で聴けるからである。第40回を迎える今年は「バッハからシューベルトへ」を大きなテーマに8月17日から31日まで。

「草津の夏の音楽祭」(略称)は、日本で最も歴史の古い音楽祭のひとつだが、アカデミーとフェスティバルを一体にしている絶妙のバランスにおいて、唯一無二の音楽祭と言っても過言ではない。若い音楽家を指導するアカデミーと、指導陣の講師を中心としたフェスティバル・コンサートから成り立つ構造は、参加する学生にとっても、聴きに来る聴衆にとっても、音楽の本質に踏み込める素晴らしい組み立てなのである。

 主に午前中に参加者へのレッスンが山小屋などで行われ(このロケーションも味がある)、毎日午後4時からは、レッスンをした講師たちによるコンサートが「草津音楽の森国際コンサートホール」で行われる。受講生にとって講師の演奏を間近に見ることは最高の教育を受けることに等しいので、まさに理にかなっている。そしてコンサートの聴衆は、別途申し込むことによって、その演奏家がレッスンしているところを聴講することもでき…

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