社会問題に関与強める米企業 政治献金では矛盾する二面性=岩田太郎
有料記事
企業は政治的中立を保ち、論争に参加しないことが伝統的に理想とされてきた。しかし米国では、銃規制、中絶や性的少数者(LGBTなど)などの問題に旗色を鮮明にする企業が増え、話題だ。
米ニュースサイト「アクシオス」のエリカ・パンディー記者は6月6日付の解説記事で、「企業は社会や政治の問題について、より大胆な立場を表明するようになっている」と指摘。「クラウド型顧客管理の米セールスフォースが銃器の販売を行う一部企業に対するサービス提供を取りやめたのをはじめ、ネット小売り大手の米アマゾンや米イーベイもサイトでの銃の販売を禁止した。また決済大手の米ペイパルや金融大手の米バンク・オブ・アメリカは体の性と心の性が一致しないトランスジェンダーを差別する法律を成立させたノースカロライナ州に圧力をかけて、廃止させた」と例示した。
積極的な関与の背景としてボストン・カレッジのヘザー・リチャードソン教授は同記事の中で、「商品やサービスを購入する消費者からの働きかけが大きい」との見解を示した。パンディー記者は例として、「2015年に、買い物客の圧力により、小売り大手の米ウォルマートが本社所在地のアーカンソー州で上程された反LGBTの立場の法律に反対を表明した」と言明した。
残り847文字(全文1377文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める