北條一浩/岡田英
編集部から
久々に渋谷の街をゆっくり歩く機会があった。東京オリンピックに向け、渋谷は今、大改造中。渋谷駅前やPARCOがあった付近などは、見る影もなく変わってしまった。
高層タワーに象徴されるような風貌はいかにも今日的で、平板で、批判も多い。私もそれに同調するが、街を歩く中で「待てよ」と思ったのである。
センター街からNHK方面にかけて、東急ハンズのあたりは、良い意味でまだゴチャゴチャしていて、渋谷らしさが残っている。名前が示すとおり渋谷の魅力は地形が「谷」になっている点にあり(だから坂が多い)、急な坂のあたりは手を加えることができないのだろう。
そしてこんなことも思った。壊れゆくものを惜しみ、新風景に難癖を付けるだけではそれも「平板」だと。変わらない景色などない。「おまえならどんな風景を作る?」。自分に問いを向けてみなければ。
(北條一浩)
「休日の過ごし方は」。本誌経営者インタビューの定番質問だが、自分はと言えば、近場で過ごすことが多い。
予定がない休日に頼りにしているのが、私の住む東京都板橋区内の地域情報を紹介する個人サイト「いたばしTIMES」。飲食店の開店・閉店情報、商店街の祭りや朝市、公園のリニューアルまで「板橋に関係ない人にはさっぱり面白くない情報」を毎日発信する。
近くに、新大久保の韓国料理店に卸しているキムチ工場があり店頭販売を始めたのもこのサイトで知った。住宅を改装した小さな工場で、前を通ったことはあったがキムチ工場とは知らなかった。買ってみると味は作りたてだけに格別だった。
おかげで区内を広く「観光」するようになった。月間70万ページビューと読者は多い。私のような「観光客」が増え、街が活気づくかもしれない。
(岡田英)
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