米政策金利の「予防的」利下げ 今後も大統領の介入強まる=岩田太郎
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米連邦公開市場委員会(FOMC)は7月31日、政策金利のFF(フェデラルファンド)金利を0・25%下げて、金融緩和の方向へと政策転換を行った。今回の利下げが米経済や金融政策に中長期的に与える影響について、米論壇ではさまざまなシナリオが論じられている。
米ブルームバーグ通信論説サイトの編集者ロバート・バージェス氏は7月24日付の解説で、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げは、(1)住宅ローン金利を低下させて失速しそうな住宅市場を安定化、(2)家計や企業のバランスシートを改善させて銀行の貸し出しを促進、(3)経営者の経済に対する先行きの悲観的予想を和らげることで企業投資を増大、(4)米ドル安をもたらして米多国籍企業の輸出を促進──など、米経済にさまざまな好影響を与えると主張した。
株式市場が下落した際に利下げをして市場を支える「グリーンスパン・プット」を実施したことで有名になったグリーンスパン元FRB議長は7月24日のテレビインタビューで、「(現在進行中の)米中貿易戦争の帰結を予想することはかなり困難であり、将来的な悪影響を低減するための利下げを行うことに損はない」と語った。
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週刊エコノミスト
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