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LINEペイで銀行振り込み 国内初の新サービス=小山安博

     スマートフォン決済の「LINEペイ」が、銀行口座に直接振り込みができるサービスを開始した。今までもアプリ内の自分の残高から銀行口座に出金することはできたが、新たに他人の口座に直接送金できるようになった点が新しい。同種のサービスでは国内初だという。

     LINEペイ上から口座番号、ショートメッセージサービス(SMS)、Eメールのいずれかを選択し、必要な情報を入力して送金額を指定するだけで、LINEペイの残高から即座に送金される。相手の口座番号を知らなくても、名前と電話番号かメールアドレスがわかれば送金できる。不正利用を防ぐため、受取人にEメールやSMSで認証番号を送って本人確認を行い、口座情報を入力してもらう。1回の送金額は最大10万円までだが、今後は資金移動業の上限である100万円までの上限引き上げも検討する。

    手数料は1回176円

     受け取り側がLINEの利用者である必要はない。手数料は振込金額に関係なく、常に1回176円で、他行宛て・3万円以上などで手数料が上がることもない。通常の送金だけでなく、法人の給与振り込み、月謝の振り込みなどもLINEペイ上から行える。個人、法人ともに利用範囲は広い。

     通常、金融機関の口座への振り込みには、銀行間をつなぐネットワークシステム「全国銀行データ通信システム」(全銀システム)への接続が必要。既存の金融機関はほぼ接続しているが、金融機関向けのネットワークであり新興のLINEなどは接続できていない。このためLINEは今回、ジャパンネット銀行の法人向け口座振り込みサービスを経由して送金するスキームを構築した。システム的には通常の口座振り込みと変わらないため安全性は高く、全銀システムにつながる全ての金融機関に即時の振り込みが可能になる。

     これまでも無料送金サービスを手がける「pring(プリン)」などで、対象の銀行であれば手数料なしで給与振り込みをするといったサービスはあった。ただ、受け取り側もサービスへの登録が必要で、出金できるのは対象となる銀行に限られていた。それに対してほぼ全ての金融機関の口座に直接振り込みができることから、今回のサービスは革新的と言える。

     これまで同様のサービスが提供できなかったのは、全銀システムの壁がそびえていたからだ。LINEは銀行を経由する手法で手数料も安価に実現したが、本来このスキームでは銀行と全銀システム双方の利用料が必要となる。もし直接接続できれば全銀システムの利用料だけで済み、手数料がより安価になる可能性もある。公正取引委員会も全銀システムがフィンテック普及の妨げになっていないか注視しており、他社の追従だけでなく、全銀システム自体の動向も注目される。

    (小山安博・フリーライター)

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