映画 嘘八百 京町ロワイヤル 前作をしのぐ華麗さとスケール だまし、だまされる娯楽傑作=野島孝一
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「嘘八百」は、骨董品をめぐって、劇中の登場人物と一緒に観客もだまそうとする「コンゲーム」映画として好評だった。だが、まさか続編が作られようとは、思ってもみなかった。それは一話完結の完成度が高かったためだ。それと、「嘘八百」のテーマだった千利休の贋作(がんさく)のような素材が、そうそうどこにも転がっているとは思えなかった。だが、武正晴監督とそのチームは、古田織部の幻の茶碗(ちゃわん)という奇手を繰り出してきた。
コンゲームの観客は、予想が外れて思いがけない展開になるほど大喜びする。映画にまんまとだまされて喜ぶのは人間だけだ。
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