国際・政治東奔政走

「不都合な事実」に向き合わぬ政権 根拠なき楽観に漂う閉塞感=人羅格

”疑惑”には背を向けたまま(国会内で1月24日)
”疑惑”には背を向けたまま(国会内で1月24日)

 新型肺炎への対応に政府が追われる中、通常国会の論戦が本格化した。

 安倍晋三首相は「桜を見る会」の名簿問題を巡り、野党が求める再調査を拒み続けた。「一方通行国会」の様相である。

 ここで、政治的に影響を及ぼし始めたのが、中国での新型肺炎の感染拡大である。

 日本での感染阻止は一種の危機管理だけに、政府が対応を誤れば、政権を揺るがす事態となりかねない。一方で、野党の疑惑追及の注目度を相対的に低くする可能性もある。

 それにしても、東京五輪への期待感ばかりが浮き立った国会冒頭、首相の施政方針演説だった。半世紀ぶりの国家イベントだとして「そこから国民一丸となって新しい時代へ踏み出そう」と呼びかけた。

残り1642文字(全文1939文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事