商社特別版 三菱商事で問われる北米社長の重み
三菱商事の垣内威彦社長は4月で就任4年になる。慣例に従えばあと2年での交代が濃厚だ。
早くから「次の社長候補の一人」と言われてきたのは、エネルギー部門出身で、今春、CDO(最高デジタル責任者)から北米三菱商事社長へ異動する高岡英則氏だ。三菱商事は2019年度、デジタル人材の採用・育成やIT企業への投資、連携を担う部署を鳴り物入りで創設し、トップのポストであるCDOに高岡氏が就いた。CDO就任1年での交代には、会社としてのデジタル対応への本気度に疑問符がつく。
高岡氏が就任する北米三菱商事の社長ポストは、かつて槙原稔元会長が前身である米国三菱商事の社長を務めるなど、本社社長の登竜門であった。しかし、小林健会長や垣内社長は北米三菱商事トップは務めていない。高岡氏の今後の進路は、北米三菱商事が社長登竜門ポストとして復活するのか、を占う上で注目に値する。
垣内社長に連なる食品部門出身の京谷裕・コンシューマー産業グループCEO(最高経営責任者)も、次期社長候補だ。ただ、京谷氏がトップに就けば2代続けて生活産業出身となり、社内で他部署からの反発が高まるリスクがある。