目的と手段、優先順位を巡り米国で新型コロナ対策議論=岩田太郎
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新型コロナウイルスの世界最大の流行地になった米国では、州政府や自治体の外出禁止令による経済活動の長期停止による大量失業や企業倒産の嵐による金融危機や大恐慌の発生が懸念される。個人や企業の救済を目的とした2兆ドル(約220兆円)規模の経済対策法が米議会で成立し、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げや流動性供給も実施されているが、具体的にどのような目的と手段で誰を優先して助けるべきかが米論壇で熱く議論されている。
コロンビア大学のエドマンド・フェルプス教授は3月23日付の評論サイト「プロジェクト・シンジケート」にニューヨーク大のローマン・フリードマン教授と共同で寄稿した提言で、「政府の救済は公共衛生危機の解決と国民の健康確保に目的を絞ることを受給の条件にし、緊急に必要とされる医療機器を労働者に適正な賃金を支払って製造する企業などに限定すべきだ。航空会社やホテルには、医療従事者や機器を輸送し、客室をコロナ患…
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