教養・歴史書評

『誤作動する脳』樋口直美著 医学書院

『誤作動する脳』 樋口直美著 医学書院 2000円

 脳の機能障害を抱える当事者が、五感、記憶、段取り力、幻覚の変化をつぶさにつづった。自らを観察する様は研究者のよう、その文章はこまやかでユーモアを含み、紛れもなく表現者のものだ。次第に病のことは頭から抜け落ち、著者の感覚や感情をたどっていた。誤診による投薬に苦しんだ6年間には胸が痛む。このレビー小体型認知症はよく知られていない。病としての対処は必要だが、何より病を抱える人の多彩さを浮かび上がらせる一冊だ。(A)

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