教養・歴史書評

『水道、再び公営化!』 岸本聡子著 集英社新書 820円

『水道、再び公営化!』 岸本聡子著 集英社新書 820円

 改正水道法の施行で、水道事業を民営化しやすくなったが、世界では33カ国で、267の民営水道事業が再び公営化に転じたという(2018年調査)。その代表例のパリ市では、料金高騰や不透明財務などの問題で、10年に再公営化された。公営化後、組織簡略化を進め、株主配当、役員報酬、納税の負担が消え、収益が改善したという。著者は、英国、スペインなどの例も取り上げながら、日本でも水道民営化に疑問の声をあげる市民の動きを伝える。(T)

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