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教養・歴史 アートな時間

舞台 能「隅田川」×オペラ「カーリュー・リヴァー」 連続上演“幻”〈日本語字幕付き〉=梅津時比古

観世喜正(左上)、彌勒忠史(右上)、鈴木優人(左下)、鈴木准(右下)の各氏 
観世喜正(左上)、彌勒忠史(右上)、鈴木優人(左下)、鈴木准(右下)の各氏 

内面の地謡と場面の合唱 好対照の劇作法を一度に

 能の「隅田川」を見ると、その完全なる形式が、いかに音楽的なものであるか分かる。

 それは「隅田川」と、それを基にしてベンジャミン・ブリテンが作曲したオペラ《カーリュー・リヴァー》を並べて上演すると、改めて気づくだろう。

 隅田川のほとりで渡し守が客を待っていると、子どもを人買いにさらわれて発狂した母親が来る。船中で子どもが病死したことを聞いた母親は、対岸の墓に案内され、嘆き悲しみながらそこで念仏を唱える。すると、墓から子どもの幻が現れる。母が抱こうとすると姿は消え、草ぼうぼうの野が広がっている。

 空気を引き裂く鼓(つづみ)、うねりを持ち一種の旋律として作用する声、笛……。それらはわずかな音だが、世界を構成する柱となる。その上に入り込む地謡(じうたい)が、単旋律を斉唱する男声合唱であるにもかかわらず、重層的に広がってゆく。

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