教養・歴史アートな時間

舞台 能「隅田川」×オペラ「カーリュー・リヴァー」 連続上演“幻”〈日本語字幕付き〉=梅津時比古

    観世喜正(左上)、彌勒忠史(右上)、鈴木優人(左下)、鈴木准(右下)の各氏 
    観世喜正(左上)、彌勒忠史(右上)、鈴木優人(左下)、鈴木准(右下)の各氏 

    内面の地謡と場面の合唱 好対照の劇作法を一度に

     能の「隅田川」を見ると、その完全なる形式が、いかに音楽的なものであるか分かる。

     それは「隅田川」と、それを基にしてベンジャミン・ブリテンが作曲したオペラ《カーリュー・リヴァー》を並べて上演すると、改めて気づくだろう。

     隅田川のほとりで渡し守が客を待っていると、子どもを人買いにさらわれて発狂した母親が来る。船中で子どもが病死したことを聞いた母親は、対岸の墓に案内され、嘆き悲しみながらそこで念仏を唱える。すると、墓から子どもの幻が現れる。母が抱こうとすると姿は消え、草ぼうぼうの野が広がっている。

     空気を引き裂く鼓(つづみ)、うねりを持ち一種の旋律として作用する声、笛……。それらはわずかな音だが、世界を構成する柱となる。その上に入り込む地謡(じうたい)が、単旋律を斉唱する男声合唱であるにもかかわらず、重層的に広がってゆく。

    残り804文字(全文1191文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,040円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    12月8日号

    もうかるEV(電気自動車)、電池、モーター14 「電動化」が業績・株価を左右 「次の勝者」探しも活発化 ■神崎 修一/桑子 かつ代/斎藤 信世16 巨人の焦り トヨタから「自動車」が消える日 ■井上 久男18 自動車部品 日本電産が台風の目に ■遠藤 功治20 図解 EV用電池「国盗り物語」 ■編集 [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    最新の注目記事