香港に「国家安全法制」 米中対立激化の恐れも=坂東賢治
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中国政府は5月28日、例年より2カ月半以上遅れて開催された全国人民代表大会(全人代)で国家転覆活動などを取り締まる国家安全法制を制定する権限を全人代に付与する議案を採択した。香港の民主派は高度な自治が認められた「1国2制度」の危機と反発し、香港の反中デモの再燃や米中の対立激化につながるとみられている。
中国共産党は昨年10月末の第19期中央委員会第4回総会(4中全会)で、香港に「健全な国家安全法制」を打ち立てる方針を打ち出し、香港には警戒感も出ていた。開幕前日の5月21日の記者会見で中国が自ら法整備に乗り出す方針が示されると予想外の事態という驚きも広がった。本来、香港基本法では立法会(議会)で制定することが規定されていたからだ。
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