教養・歴史書評

『サガレン 樺太/サハリン境界を旅する』 梯久美子著 KADOKAWA 1700円

『サガレン 樺太/サハリン境界を旅する』 梯久美子著 KADOKAWA 1700円

 北海道の北に浮かぶ、昔は「サガレン」と呼ばれた樺太/サハリン。1世紀ほど前、島を南北に走る鉄道に乗った林芙美子と宮沢賢治の旅程を現地で丹念に追った美しい紀行エッセーだ。“国境の島”がたどった複雑な過去と、変化に富んだ自然から2人の文学者が感じ取った心象風景を考察。特に最愛の妹を亡くして傷心の賢治が出会った沿線の印象的な景色が、童話など多様な作品に反映されていると分析した後半は非常に秀逸で楽しめる。(W)

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