教養・歴史 書評 『景観からよむ日本の歴史』 金田章裕著 岩波新書 800円 2020年8月28日 『景観からよむ日本の歴史』 金田章裕著 岩波新書 800円 平坦に広がる佐賀平野には堀に囲まれた農村集落が点在する。堀は単に集落を取り囲むだけではなく、集落内にも複雑に入り込んでいる。しかも幅は結構広い。何のためか。姉川という環濠集落は発掘や古文書によると以前は城があったらしく、中世城郭に由来する集落ゆえの堀と分かった。現存する建物や施設は、建設者の意図や嗜好(しこう)性、敷地の位置や広さといった物理的制約等々、多様な要素からできている。それを推理する「景観史」の手引書である。(T) 前の記事 8月6~12日(ビジネス/新書) 次の記事 8月20~26日(ビジネス/ノンフィクション) 文字サイズ 小中大 印刷