第1回 バイデン勝利で製薬・自動車に恩恵=ゼノデータ・ラボ
米国大統領選挙は終盤に差し掛かり、民主党のバイデン候補優勢で状況は進んでいる。バイデン氏とトランプ大統領は対中政策などでは似た政策を掲げているが、異なる方針を示している部分も多い。このままバイデン氏が大統領選に勝利した場合、日本企業にはどのような影響を与えるのか。増益または減益となる可能性をスコア化した。
バイデン氏勝利でプラスの経済効果が大きい企業は、製薬会社や自動車、自動車部品メーカーだ。バイデン氏はオバマケア(医療保険改革)の継続、拡充を公約に掲げている。また、メディケア(高齢者、障害者向け公的医療保険)の加入者対象拡大を行うと発表しているため、「保険加入者の増加」から「処方箋医薬品の需要が増加」するシナリオが浮かび上がり、これが製薬会社のプラス要因となる。
自動車関連は、日本の輸出量増加の構図が推測できる。電気自動車(EV)関連への研究開発の投資やEVの購入に補助金を支給するなど、バイデン氏はEVの普及を強く推進する方針を示している。さらに国際協調を重視し、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への参加やイランへの制裁緩和なども輸出量の増加を後押しする。EVに関しては、米国内製品の購入を促してはいるが、現状では他の要因を相殺するほどではない。交通インフラへの投資増加の影響で、キトーなどインフラ整備に関わる機械メーカーも恩恵を受けそうだ。
一方で、マイナス要因となり得るのはバイデン氏が重視する環境対策だ。パリ協定再加入や化石燃料向けの補助金廃止を目標とするなかで、ガソリン車需要の減少やシェールオイル開発が抑制されることは必至で、化石燃料や油田・ガス田掘削関連の企業、建設機械メーカーも影響を受けると予想される。
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(ゼノデータ・ラボ)