あの大劇作家もまた為政者と無縁でない時代=本村凌二
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「世界はすべてお芝居だ。男と女、とりどりに、すべて役者にすぎぬのだ」とは、シェイクスピアの有名な科白(せりふ)である。とはいえ、16世紀といえば、基本的人権も言論の自由もなかった時代である。幼少の折のシェイクスピアも、エリザベス女王(1世)を非難したり中傷したりした人物が残忍な処刑の憂き目にあう場面に立ち会ったにちがいないという。
スティーブン・グリーンブラッド『暴君』(岩波新書、860円)は、副題に「シェイクスピアの政治学」とあるように、この史上最大の劇作家と当時の政治との関わりを意味深く論じている。
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