映画 大頭脳 工夫を凝らしたアクション喜劇 芸達者たちが縦横無尽に暴れる=芝山幹郎
有料記事
楽しい映画が帰ってきた。劇場公開は約50年ぶりだが、日本ではずっとDVDが発売されていなかった。ジャン=ポール・ベルモンド主演の「大頭脳」(1969年)のことだ。
当時のベルモンドは絶好調だった。「勝手にしやがれ」(60年)や「気狂いピエロ」(65年)といった名作のみならず、「リオの男」(64年)や「オー!」(68年)、そしてこの「大頭脳」など、肩の凝らないアクション・コメディでも大活躍していた。
「大頭脳」のメインプロットは、現金輸送列車の襲撃計画だ。1967年、NATOの本部がパリからブリュッセルに移転される(これは歴史的事実)。その際、加盟14カ国の秘密資金(合計80億フラン)も運ばれるのだが、それを奪おうというのが、服役中の犯罪者アルチュール(ベルモンド)の計画だ。
残り925文字(全文1266文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める