教養・歴史書評

老化は「直せる病気」? 果たして、それは幸福か=高部知子

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 確かに最近の人は「若くなった」気がする。還暦といえば赤いチャンチャンコと帽子を被ったお年寄りというイメージがあったが、今の60歳はどうであろう。例えば「サザエさん」に出てくるフネさんは50代前半。今の松田聖子さんより年下だ。私の父も今年80歳になったが、ジーパンにGジャン姿でソフトクリームを頬張っている。なんでこんなに今の人は「若い」のだろう。

『LIFESPAN 老いなき世界』(デビッド・A・シンクレア著、東洋経済新報社、2400円)は世界20カ国で刊行され、日本で発売される前からかなり話題となっていた。著者は米ハーバード大学の遺伝学の教授で、老化生物学研究センター所長でもある人物。帯には「人類は、老いない身体を手に入れる」とある。

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