新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

教養・歴史 書評

新たな希望に向けて、リベラルの現状痛烈批判=ブレイディみかこ

『忖度しません』
『忖度しません』

×月×日

「バカが世の中を悪くする、とか言ってる場合じゃない」。大統領選挙で米国が大揺れしていたときに開いた本の最初のタイトルが、あまりにもタイムリーだった。月刊誌『ちくま』に連載中の斎藤美奈子「世の中ラボ」が、『忖度(そんたく)しません』(筑摩書房、1600円)という書名で単行本化された。この連載は以前にも『月夜にランタン』『ニッポン沈没』という書名で単行本になっていて、本書で3冊目だ。時系列ではなくテーマごとに並べられた「書評の顔をした社会時評」は、連載中よりもなぜかいっそう切れ味鋭く感じられる。

 冒頭の「『反知性主義』を批判するあなたの知性」では、数年前に話題になった「反知性主義」本について論じているが、「こうまでして『反知性主義』にこだわることに、いったいどんな意味があるのだろう。手の込んだやり方で『バカが世の中を悪くする』といいたいだけ、に見えるんですけどね」「日本の知識人はバカの悲しみに鈍感なところがある」と金言の連発だ。

残り926文字(全文1348文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事