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政権入り目指す独「緑の党」 現実路線に反発も強まる=熊谷徹

ドイツ・ブランデンブルク州に設置された風力発電施設。緑の党は再生可能エネルギーの拡充を訴える(Bloomberg)
ドイツ・ブランデンブルク州に設置された風力発電施設。緑の党は再生可能エネルギーの拡充を訴える(Bloomberg)

 ドイツの環境保護政党・緑の党は、11月20日から3日間にわたりオンライン党大会を開き、政策綱領を採択した。現在支持率が第2位の緑の党は、来年秋の連邦議会選挙(総選挙)で政権に参加すると見られているため、欧州メディアは政策綱領の内容を詳しく報じた。

 リベラルな読者に人気があるドイツの週刊新聞『ツァイト』は11月21日付電子版で、ベアボック共同党首の「2021年に新たな時代をスタートさせる。我々は奇跡を起こすことができる」という発言を引用し、同党が総選挙で権力の座に就くことを狙っていると報じた。今年11月の支持率調査によると、緑の党への支持率は20%で、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU=36%)に次いで第2位。このため両党が連立政権を樹立するという見方が有力だ。

 ツァイトは、「緑の党は今回採択した政策綱領の中で、戦後ドイツの経済原則である社会的市場経済を、エコロジー重視の社会的市場経済に変換するという目標を掲げた。彼らはメルケル政権が再生可能エネルギーの拡大にブレーキをかけているとして、政権に就いた場合には経済のグリーン化に拍車をかける方針だ」と伝えている。

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