米財務長官に前FRB議長 弱者への共感力に期待=岩田太郎
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バイデン次期大統領の政権移行チームにより財務長官候補に指名されたジャネット・イエレン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長の人選をめぐり、米論壇で賛否が議論されている。
ニューヨーク市立大学のポール・クルーグマン教授は11月26日付の『ニューヨーク・タイムズ』紙に寄稿し、「イエレン氏はFRB高官の中で最も正確な経済予測をすると、『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙が2013年に評したほどの人物で、当時(実際には起こらなかった)インフレ進行を懸念したFRB内のタカ派と比べ、『経済後退と闘うには金融緩和が有効だ』と唱え、量的緩和を推進させた。歴史は、彼女の見立てが正しかったことを証明している」とたたえた。
またクルーグマン教授は、経済学界においてイエレン氏が重要な論争に勝利したと、以下のように解説した。「非常に多くのエコノミストが、『人々は自己の利益に沿って理性的に行動するため、不況と闘う経済政策は必要ない』と主張した際にも、新ケインズ派の旗手であるイエレン氏は、『人々は愚かではないが完全に理性的でもないため、積極的な政策が必要だ』と説いた。彼女は、経済学が極端に合理的で機械的な計算で成立するので…
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週刊エコノミスト
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