学費ローンの重い負担を解消 バイデン氏の減免案が賛否=岩田太郎
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米国のバイデン新大統領が、4500万人にのぼる米社会人の間で総額1兆6000億ドル(約165兆円)という重い負担となっている学生ローン負債を、1人1万ドル(約103万円)を上限に減免すると表明し、賛否が分かれている。
ブルームバーグのコラムニストであるジョー・ノセラ氏は12月16日付の解説で、「1965年に米議会が、当時のジョンソン大統領が平等実現や貧困撲滅を目的として掲げた『偉大な社会政策』に基づいて高等教育法を可決した際、経済的に恵まれない家庭の子女が連邦政府から進学ローンを借りることが容易になった。一方で、歴代議会の法改正により、やむを得ぬ事情で支払い困難となっても、破産によって負債を帳消しにすることがほぼ不可能になった」と、歴史的な経緯を説明する。
ノセラ氏はさらに、「その後、営利目的の大学が黒人などを相手に、仕事に結びつかない卒業証書と引き換えに高額の授業料を徴収し、卒業生には返済しきれない負債が残った。返済が滞っても、連邦政府が容赦のない負債回収業者のように取り立てる。そのため、進学で希望ある生活が実現するどころか、負債から脱け出せないワナとなった」と解説した。
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週刊エコノミスト
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