封じ込め困難なポピュリズム 米議会乱入に欧州も失望=熊谷徹
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トランプ米大統領の支持者ら数千人が1月6日にワシントンの議会議事堂に乱入し、5人の死者が出た事件について、欧州のメディアでは改めて「米国の民主主義の危機」を強調する論調が目立った。
ドイツの週刊誌『シュピーゲル』は1月7日付電子版で、「シュタインマイヤー大統領は『議事堂という民主主義の心臓部を攻撃した暴徒たちは、現職の大統領によって扇動された。この事件は、大統領がうそと憎しみを繰り返しばらまいた結果だ』と述べ、トランプ大統領が乱入事件に直接の責任があるという見方を打ち出した」と報じた。
シュタインマイヤー大統領は「権力のスムーズな移譲は民主主義の基本だが、トランプ大統領はバイデン候補の勝利を否定し続けることで、この常識を無視した」と批判した。シュピーゲルは「シュタインマイヤー大統領は、昨年8月にベルリンでも、ドイツの極右団体のメンバーがベルリンの連邦議会議事堂に突入を試みた事件に言及し、『ワシントンの事件は扇動、うそ、暴力が民主主義を危険にさらすという教訓を我々に与えている』と…
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週刊エコノミスト
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