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映画 KCIA 南山(ナムサン)の部長たち 政治に切り込み、娯楽目線も軍事独裁政権の悲劇描く意欲作=寺脇研

 せっかくの秀作なのに、この日本公開題名はなんとかならないのだろうか。まずKCIAだ。正式には「大韓民国中央情報部」で、K(コリア)のCIAといえば想像はつくが、1961年から81年まで存在した過去の遺物である。

 もっとわからないのは「南山の部長たち」だろう。この機関の所在地はソウル市の中央に位置する南山で、警視庁が「桜田門」と呼ばれるように「南山」と通称されていた。

 なにしろ現在の北朝鮮とそう変わらない軍事独裁政権時代の組織ゆえ本家CIA以上に冷酷で残酷、拷問はむろん73年に日本で起きた金大中(キムデジュン)拉致事件のような他国内での荒技も平気だ。

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