新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

教養・歴史 アートな時間

映画 聖なる犯罪者 気むずかしいが引力の強い映画 若者の仮装と呻きが眼を奪う=芝山幹郎

 20歳前後の若者には、とんでもない偶然が舞い降りることがある。たんなる僥倖(ぎょうこう)なのか、ある種の憑(つ)き物なのか、それとも結果的には、交通事故のような災厄となるのか。結論は軽々には出せないが、偶然が舞い降りてきた瞬間は、運命がカチリと音を立てる。

「聖なる犯罪者」の主人公ダニエル(バルトシュ・ビィエレニア)も、その音を聞いたのではないか。20歳の彼は、殺人を犯して収容されたポーランドの少年院を仮退所したところだ。

 少年院でミサのまとめ役を任されて以来、ダニエルは神父になりたいと願ってきた。が、前科者は神学校に入れない。彼は、紹介された製材所の近くにある教会の扉を開く。素姓を尋ねられた彼は、反射的に「司祭です」と答える。鞄には、少年院でくすねてきた僧衣が入っていた。

残り927文字(全文1268文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事