教養・歴史アートな時間

クラシック 東京二期会オペラ劇場 タンホイザー=梅津時比古

原演出のキース・ウォーナー(左)と指揮のセバスティアン・ヴァイグレ 左 
原演出のキース・ウォーナー(左)と指揮のセバスティアン・ヴァイグレ 左 

オペラの真骨頂「読み直し」 新制作公演のワーグナーを堪能

 オペラで従来と変わらない演出をしていたら、ドイツではまず新聞、雑誌の音楽批評において集中砲火を浴びるだろう。「この公演は、何も変える勇気がないのか!」と。

 ドイツではオペラは「読み直し(読み替え)」を行うことが常識である。「読み直し」のために、ドイツ語圏では「ドラマトゥルク(Dramaturg)」という仕事ができたほどである。元々は18世紀のドイツの劇場において、文芸面を担っていた劇場詩人たちがドラマトゥルクという職種として呼ばれていた。

 文芸面を担うということは、劇場の理念・方針から、舞台での使用言語の問題、出演者の選任、交渉まであらゆることが任務となり、結果として、劇場総監督にも近い力を持つことにもなる。

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