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教養・歴史 アートな時間

映画 痛くない死に方 医師もまた一人の人間 ベテラン俳優が支える成長物語=寺脇研

 コロナの影におびえさせられる毎日だと、つい、死が頭をよぎる。羽田雄一郎参議院議員の訃報は、少し前にお会いした後だっただけに、人の命のはかなさを痛感させられた。わたし自身、軽度とはいえがん患者なので、他人事ではない。

 そこへ、死に方をテーマにした映画である。これは心して観なければ。病院で手を尽くしてもらうのか、自宅で家族に看取(みと)られるのか、この問題をそろそろ考えてみたくもなるところへ、格好の機会となりそうだ。

 物語は、実際に在宅終末医療に取り組んでいる医師の原作だけにリアルこの上ない。 まず、医者も一人の人間であることが示される。夜中に電話で起こされる主人公の不規則な生活に、妻は愛想を尽かし離婚を切り出す。別れた後、彼女から要求された金額を支払うのにも汲々(きゅうきゅう)としている有り様だ。

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