パワー半導体 自動車電動化で市場拡大 三菱電機、富士電機、ローム=津田建二

パワー半導体とは1ワット以上の電力を扱う半導体のことで、モーターを駆動させたり、交流電力を直流に変えたり、あるいはその逆の変換を行ったりする。シリコン半導体の進化とともに取り扱える電圧は1000ボルト以上になり、産業機械や電車、バスなど大きな動力のモーターを動かすことができる。
OMDIAの調査によると、パワー半導体の売り上げ世界上位10社の内、三菱電機、東芝、富士電機、ルネサスエレクトロニクス、ロームと5社を日本メーカーが占めている。日本メーカーは、自社およびグループ内に産業機械などの顧客がいる強みを生かして、産業用パワー半導体で優位を保っている。
最近、パワー半導体が期待されているのは、電気自動車(EV)市場である。これまでの産業用のパワー半導体市場の年率の伸びは3~4%程度だった。しかし、EVで市場規模が一気に拡大する。EV用のパワー半導体市場は大きなモーターを動かすためのインバーター回路だけではない(図)。ブレーキを踏むと回生回路を通してバッテリーを充電するが、そのための充電回路や、ヘッドランプのLED化に必要なドライブ回路、始動発動…
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週刊エコノミスト
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