脱原子力決定から10年 ドイツで「必要論」台頭=熊谷徹
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2011年の東京電力福島第1原発での炉心溶融事故をきっかけに、ドイツ政府が原発の全廃を決めてから、今年で10年。一部の国で高まる原子力ルネサンス論にもかかわらず、同国は来年末に最後の原発のスイッチを切る。
ドイツのリベラルな週刊新聞『ツァイト』が3月11日付電子版で伝えたところによると、メルケル政権のシュルツェ環境相は、「我々は来年、原子力の使用に終止符を打つという歴史的な目標を達成する。長年続いた原発をめぐる論争を終わらせ、ドイツにおける原子力によるリスクを大幅に減らすことができた」と述べ、10年前に行った決定は正しかったという姿勢を強調した。
同紙は、「シュルツェ大臣はこの日『脱原子力完遂のための12項目提案』を公表し、ドイツ北部の2カ所の核燃料製造工場の閉鎖、再生可能エネルギー拡大の加速、放射性廃棄物の最終貯蔵処分場の候補地の早期決定などを要求した」と報じた。
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週刊エコノミスト
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