映画 シカゴ7裁判 おかしくて大真面目な法廷劇 切れる頭と笑いの爆弾が同居=芝山幹郎
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第93回アカデミー賞の発表が間近だ。今年の本命は「ノマドランド」だが、異色の穴馬は「シカゴ7裁判」だろう。脚本賞と助演男優賞ぐらいは、獲(と)らせてあげたい。
シカゴ7とは、ヴェトナム戦争反対を唱えた複数の集団のリーダーたちを指す。トム・ヘイデン(エディ・レッドメイン)やアビー・ホフマン(サシャ・バロン・コーエン)といった後年の文化的ヒーローも、なかに含まれる。1968年8月、彼らはシカゴで開かれた民主党全国大会のさなかにデモを組織し、警官隊と衝突した。
共和党政権が誕生して5カ月後、彼らは暴動を煽(あお)ったとして共謀罪で起訴された。最初は8名が起訴されたのだが、ブラックパンサー党の指導者ボビー・シールだけは、異なった罪名で裁判を受けることになる。
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