舞台 七月大歌舞伎 身替座禅 男性の浮気話が主題の喜劇 山蔭右京役に松本白鸚が初挑戦=小玉祥子
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七月の東京・歌舞伎座「七月大歌舞伎」で、松本白鸚(はくおう)が「身替座禅」(岡村柿紅(しこう)作)の山蔭右京(やまかげうきょう)に初挑戦する。狂言の大曲「花子」の歌舞伎化で、明治43(1910)年に初演された。右京の初演は六世尾上菊五郎で、六世の得意芸を集めた「新古演劇十種」に数えられる。
大名の右京は持仏堂で座禅すると妻の玉の井をだまし、家来の太郎冠者を身代わりに立てて、いそいそと愛人の花子に会いに出かける。玉の井は持仏堂にいる夫にお茶を出そうとして、真相に気づく。一計を案じた玉の井は太郎冠者になりすまして右京の帰りを待つ。ほろ酔いで帰宅した右京は、太郎冠者が相手のつもりで花子との再会の喜びを玉の井に向けて語り聞かせる。激怒した玉の井は右京を追い回す。
狂言や能を歌舞伎化した作品は、能舞台の鏡板(かがみいた)を模して背景に松を描くことから「松羽目物(まつばめもの)」と呼ばれる。「身替座禅」はその代表格である。
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週刊エコノミスト
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