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ゼロからはじめる資産形成② 資産形成、何からはじめる? 預貯金、国債、保険、投資のメリットデメリットを一括比較

資産形成の手段はさまざま
資産形成の手段はさまざま

 将来お金が足りない、資産形成をしなきゃ!と思っても、「一体何から始めたらいいの?」と動けなくなっていませんか。

 焦る必要はありません。まずは、いろいろな資産形成の選択肢を知ることから始めましょう。具体的なスタートはそれからで大丈夫です。

資産形成は「ためる」と「ふやす」の二つのアプローチで

 資産形成というと、「リスクをとって投資をしなきゃいけない」と考えてしまい、「投資は難しそうだから」とそこで二の足を踏んでしまう人をよく見かけます。

 資産形成とは、時間をかけて人生の目標を実現するのに必要な資産を作ること。「ためる」と「ふやす」の二つのアプローチを使い分けて、ゴールを目指すものです。

 では、「ためる」と「ふやす」にはどんな手段があるのでしょうか。

アプローチ1 「ためる」手段

「ためる」手段の代表は預貯金でしょう。ほかには、個人向け国債や貯蓄型の終身保険などがあります。

 いずれも将来いくらになるのかが決まっていて安心感があるため、積み立てだけでなく、まとまった資産の預け先にも選ばれることが多いです。それぞれの特長を見ていきましょう。

<預貯金>ネット銀行ならおトク

 普通預金や定期預金は、預けた元本が減ることはなく、なにより身近な商品であるため、安心して預けられます。

 とはいえ、現在多くの銀行での一般的な金利は、普通預金が0.001%、定期預金も0.002%と超低金利の時代。「どこに預けても、雀の涙ほどの金利しかもらえないでしょ」と思っていませんか?実は、そんなことはないのです。

 店舗を持たない銀行、いわゆるネット銀行の金利に目を向けてみると、たとえば、A銀行の普通預金と定期預金は、いずれも年0.2%。大手の銀行と比べると定期預金で100倍、普通預金はなんと200倍ということになります。超低金利時代であっても、探せばおトクな預貯金が見つかるのです。給与受取の銀行口座に預けっぱなしにしていては、もったいないですね。

<個人向け国債>中途換金可能でリスクも小さい

 国債は、国が発行する借用証書のようなもの。その中でも、個人が利用できる個人向け国債は、安心安全の預け先として「ためる」手段の選択肢に入ります。証券会社だけでなく、銀行や郵便局でも購入可能です。

 えらべる満期は3種類。3年、5年ものは固定金利、そして10年ものは変動金利です。いずれも半年に一度利払いがあり、2021年7月募集の個人向け国債の利率は、3種類とも年0.05%。この0.05%は、個人向け国債の最低保証利率であるため、変動金利タイプを選んでもこれ以上下がることはありません。毎月発行され、1万円から購入可能なので、積み立てに使うことも可能です。

 1年経過すればいつでも中途換金できます。直前2回分の利子相当額がペナルティとして差し引かれますが、元本割れすることはありません。

 一つだけ、注意したい点があります。国債は、国が発行しているから安全、満期が来たら預けたお金が必ず返ってくるでしょ?と思われるかもしれません。ところが、国が発行しているからと言って、国債は安全、とは言い切れないのです。

 たとえばギリシャやアルゼンチンは、過去にデフォルトという債務不履行を起こしています。財政の悪化により、元本や利子の支払が約束の期日通りに実行できなかったのです。

 では、個人向け国債の安全性はどうなのでしょうか。

 これまでデフォルトを起こした国では、財政状況の悪化による金利の高騰や、新規の国債が発行できないなどの信用力の低下がみられました。しかし、現在日本においては超低金利が続き、国債の発行もスムーズに進んでいます。そのため、今のところ日本の国債の安全性は高いと考えて良さそうですが、将来、財政状況が悪化すれば他国のような可能性もゼロではありません。

 ただし、極端に心配するのではなく、万が一のリスクはあるということを、頭の隅にいれておく程度でよいでしょう。

<保険>貯蓄型なら資産形成の手段に

 保険とは、本来「貯蓄で対応できない大きな損失に備える商品」ですが、貯蓄型と呼ばれる終身保険など一部の保険は、資産形成の手段として活用できます。

 終身保険とは、万が一被保険者が死亡・高度障害状態になった場合に、保険金を受け取れる一生涯保障が続く保険で、もし生存中に途中解約した場合は、解約返戻金が受け取れるのが特徴です。

 保険料の払い込みが終了すると、一般的に解約返戻金は払込保険料の合計額以上の金額となります。現在は保険会社の予定利率は低く、大きく増えるわけではありませんが、万が一に備えながら資産を形成したいときには役立ちます。

アプローチ2 「ふやす」手段

「ためる」と異なり、減るリスクを伴う手段を「ふやす」としています。代表的なものは、株式投資と投資信託です。

<株式投資>ハイリスク・ハイリターン

 株式投資とは、ある企業の株式を購入し、その企業の株主になることです。投資した企業の業績が伸びれば、利益の一部が株主に還元され、配当や株主優待がもらえます。また、購入時より株価が上がれば、値上がり益も期待でき、資産を大きくふやせます。

 一方で、業績の悪化により、株価が下がったり、配当が減ったりしてしまうこともあります。また最悪の場合は、企業が倒産して、株の価値がゼロになってしまうというリスクもあります。

 このように、株式投資は、株主となって企業成長を見守る楽しみもありますが、一方でハイリスク・ハイリターンでもあるので、怖いといったイメージを持たれることも多いです。

 なお、NISA口座を活用すれば、年間120万円までの株式投資に対して、購入した年から5年間は、値上がり益や配当金が非課税になり、税制面で有利に投資ができます。

<投資信託>株式投資と比べて低リスク

 投資信託とは、多くの投資家の資金をひとつにまとめ、運用の専門家が株式や債券などに分散投資する金融商品のことです。その運用の成果が投資家に還元される仕組みです。

 投資信託のリスク度は、商品にもよりますが、株式投資に比べ、いくぶん低くなります。その理由は、投資信託は複数の企業に分散して投資をするので、企業ごとの業績の悪化や倒産のリスクも分散されるからです。

 また、投資というと、まとまった資金が必要だと思われがちですが、投資信託は最低購入金額が100円からという金融機関もあり、少額から始めることも可能です。

 近年普及しつつある「つみたてNISA」や「iDeCo」は、税制のメリットを受けながら、主に投資信託で資産形成ができる制度です。今後、ますます制度の利用が進めば、投資信託の活用の裾野も広がることが期待されています。

それぞれの手段のメリット・デメリットを比べてみよう

 ここまでお伝えした手段について、メリット・デメリットを一覧にまとめてみました。

「ためる」タイプでは、元本の保証や安全性がある一方で、利子や利息などの見返りが少ない傾向にあります。

 一方、「ふやす」タイプでは、運用成績によってはふえる期待ができる一方で、損をする可能性もあります。

 このように、どちらにもメリット・デメリットがあるため、一つの手段だけで資産形成のゴールを目指すのは難しいのです。だから、「ためる」と「ふやす」の二つのアプローチによる資産形成が必要なのです。

 手段を検討する際に、それぞれのメリットとデメリットを考えることは大切ですが、自身の家計の状況をよく把握することも重要です。家計の状況によっては、リスクのある「ふやす」アプローチはほどほどにした方が良い場合もあるからです。

 目安は、生活予備資金として生活費の半年分の貯金ができているかどうか。収入減などの万が一に備えられるのは、お金が減るリスクがない預貯金であり、資産形成の基盤となるものです。今まったく貯金がない人は、まずは「ためる」に力を入れ、最低限、生活費半年分の貯金が作れたら、「ふやす」を取り入れるのでも全く遅くありません。

〇×式 目的ごとに自分にピッタリの資産形成を選んでみよう

 最後に、これらの手段をどう資産形成に取り入れればよいか、〇×式のフローチャートで探ってみましょう。

 資産形成の手段は、何のためにお金を作るのかを明確にすると考えやすいでしょう。たとえば、代表的な目的として、子どもの大学資金や住宅購入、老後資金などがあげられます。これらは、発生する時期も準備期間も異なり、お金の準備の手段もおのずと違ってきます。

 大学資金を貯めたい場合で、子どもがもう大きければ、元本割れしない手段を選びたいでしょうし、まだ生まれたばかりなら、元本の保証はなくてもとにかくふやしたいという人もいるでしょう。

 何のための資産づくりなのかをイメージしながら、フローチャートを進めてみてください。

 人生における様々な目標を実現できるよう、「ためる」と「ふやす」を使い分け、最適な手段を組み合わせて資産形成をしていきましょう。

(みらい女性倶楽部・冨田仁美)

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